下工の弁慶号

下工の弁慶号

下工弁慶号

下工へ 明治 40 年に石川島造船所(現:IHI)で、ボールドウィン製の機関車のコピーとして製造された。 軌間(ゲージ)は 762㎜、全長 4,070㎜、全高 2,337㎜、重さ 5.5t 級の小型機関車。ボイラーの上に水のタンクを亀の甲のように背負っていることから「亀の甲」とも呼ばれ世界的にも価値の高い蒸気機関車である。 昭和9年、徳山煉炭製造所(後の海軍燃料廠)の構内で、煉炭や石炭輸送用に使用されていたものを、原動機実習機材として払い下げを受けた(対価は 60 円)。徳山から下松の平田川河口(大海町桟橋)までは海上を艀で運搬し、河口からの陸上は丸太を並べ、その上に厚い足場板を置いて学校まで移動した。

蘇った下工弁慶号

「本校創立 60 周年記念式典行事に、下工弁慶号を甦らせよう。」という話が出たのは、昭和 54 年 8 月から山口線に SLが正式ダイヤに組まれて、黒煙を吐いて驀進する雄姿が見られるようになったことと、本校機械科教員が実物 8.5 分の1のミニ SL「C62」を製作し、試運転に成功していたことによった。

その後、各地から貸出要請があり、イベントに参加した。

昭和63 年 3 月 12日岡山県、倉敷市の下津井駅で弁慶号の体験運転が行われ、弁慶号は白煙を吐きながら紅白の幕で囲まれたフラワーパーク内を走った。

平成4年12月、三重県桑名市の北勢線開通 90 周年イベントに貸出、平成16 年から平成18 年までの 3 年間、三岐鉄道北勢線阿下喜駅の軽便鉄道博物館で運行された。

平成19年には「大鉄道博覧会」(江戸東京博物館)に展示された。新聞報道もあり、卒業生が集まった。

現在、下松市役所南側広場のグリーンプラザで展示格納されている。 この下工弁慶号は本校のシンボルとして歴史を語り、輝き続けている